感想を書きたいブログ

読んだ本の感想を綴ります。気分転換のためなので更新は不定期ですがどうぞよろしくお願いします!

『おとなになるってどんなこと?』

吉本ばななさんの『おとなになるってどんなこと?』(2015年)を読みました。

 

 

この本はほんとにたまたま手に入れた本で、本屋さんや図書館でみかけたとしても手に取らなかっただろうと思います。

 

それはいわゆる(?)リサイクルイベントで、思い出があるけれど必要のないものを持ち寄ってそれをお互い交換するというもの。が、しかしそれほど欲しいものもない・・・ということで吉本ばななさんの本だしそれなりにおもしろいんじゃね?と軽い気持ちで持ち帰ってきました。

 

この本はどういう本なのか、冒頭でばななさんの思いがこのように綴られます。

 

 気持ちがぶれてしまったときや自分でも自分が信じられないほどに落ち込んでしまったとき、この本を手にとりしばらく読み返せばいつのまにか自分の内面が調律できる、もとの軸に戻れる。

 そういうお守りみたいな本が作りたかったです。

 

タイトルからして思春期の少年少女向きの本かな?と思っていましたがもう大人の自分にとってもじわじわと沁みる内容でした。自分を好きになろう、とかがんばらなくてもいい、とか単純に言ってくるような安っぽい自己啓発本とは一線を画す本です。

 

中でも印象に残った一節を。

 

 いちばんだいじなことは、自分の中にいる泣き叫んでいる子どもを認めてあげることです。ないことにしないことです。そうすると心の中に空間ができて、自分を大丈夫にしてくれるのです。             

 大人になるということは、つまりは、子どもの自分をちゃんと抱えながら、大人を生きるということです。 

 

ばななさんが小学生の頃、初めて他者を思いやった瞬間のエピソードと共に語られます。

私がおとなになった瞬間はいつだっただろうか・・・はやく大人になりたいと思いながら、いつのまにか体は大人になりました。一人で早起きすることも、食事をすることも、お酒を飲むことも、たばこを吸うことも、車に乗ることもできるようになりました。恋もしました。

でも、ふとした瞬間に子供の頃の自分は現れます。好きじゃないことをがんばることがどうもつらい。

 

子供の頃に悲しかったり傷ついたりした思い出って誰にでもあると思うんですが、そういうのをないことにしないってことですよね。ただ、受け入れる。ああ、悲しかったな〜もうあんな思いしたくないな〜。

 

いっつもぐずってる子供の頃の自分をちゃんとなだめながら、今を生きるってことなのかな。

 

ああ、こんな本読んでたな〜ってくらいおとなになりたいものです。